2019/03/05
「医療費控除」という言葉、聞いたことはあっても実際には「手続きが面倒そう」「なにが対象か分からない」と、利用をあきらめていた人も多いのではないでしょうか。
実は医療費控除は2017年から手続きが簡略化。さらには薬局で買っている薬も控除の対象になるのです。医療費控除の申請をすることで、お金が戻ってくることも!?
この機会に医療費控除について正しく知って、払いすぎている医療費を還付してもらいましょう!
まずは以下から自分、自分と生計を共にする家族が以下の対象になるかどうかをチェック!
【医療費控除の対象になるもの】
※要指導医薬品・一般用医薬品の中で医療用から転用された薬局で買える医薬品
【医療費控除の対象にならないもの】
医療費控除は、私たちができる身近で簡単な節税方法。
対象範囲も広く、家族全員分の合計で計算できるので、この機会にぜひ申請をしてみましょう。面倒だと思いがちな申請も実は意外とシンプルです。
まずは医療費控除の基本のキ「医療費控除」とは何かを簡単に説明します。
「医療費控除」は、1年間の医療費が10万円を超えると対象になり、支払った所得税の一部が戻り、さらには住民税も軽減される制度。
2017年からは薬局での市販薬(スイッチOTC医薬品)の購入費が1万2000円以上の世帯を対象とした「セルフメディケーション税制」もスタートしました。
「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」は併用できません。どちらが得かは各世帯の使った金額にもよりますが、一般的には年間の医療費が10万円未満で医薬品の購入が多い場合にはセルフメディケーション税制がおトク。最大控除額は医療費控除のほうが大きいので、10万円以上の医療費がかかっている世帯は医療費控除を選択するといいでしょう。
申請は確定申告をする必要がありますが、こちらも簡単にできるように提出書類が簡略化! 健康保険組合などから送られてきた「医療費のお知らせ」があれば、明細の記入は省略できます。
ただ、薬局や病院の領収書やローンやクレジットの写し、信販会社の領収書は自宅で5年間の保存が必要とされています。提出の必要はありませんが、捨てないで取っておいてくださいね。
うちはサラリーマンだから……と面倒くさがらず、確定申告をしてしっかり控除をうけましょう!
家族の分まとめて申告できる医療費控除は、離れて暮らす家族分(単身赴任や一人暮らしの子ども・仕送りしている高齢の両親)も対象となっています。
では、実際にいくら戻ってくるのかを見ましょう。
医療費控除額(上限200万円)=医療費(保険金で補填された額を除く)−10万円(総所得が200万円以下の人は総所得金額の5%)
参考:国税庁(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除))
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
上記が医療費控除額の計算の仕方ですが、これだけ見てすぐに「ピン! うちは〇〇円」と分かる人はいないですよね?
実例を見て自分の家の控除額を予測して、参考にしてみてください。
<実例でチェック!>
入院給付金などで15万円支給された場合
60万 - 15万 - 10万 = 35万円
医療費控除対象額 35万円
所得税の還付金 7万円+住民税の減税額3万5千円 =10万5千円
還付金・減税額 10万5千円が戻ってきます。
保険金で11万円が支払われている場合
40万 - 11万 - 10万 = 19万円
医療費控除対象額 19万円
所得税の還付金 3万8千円+住民税の減税額1万9千円 =5万7千円
還付金・減税額 5万7千円が戻ってきます。
ライフイベントや予期せぬ病気やケガは、思わぬ医療費の出費になることも多いですよね。
そんな時は国の制度をかしこく利用すれば、自己負担金額を減らしたり節税したりできるんです。