子どもへのアンガーマネジメントの基本を知ろう!
・アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングで、「体質改善と対処法」または、「無駄に怒らなくなる考え方を身につける方法の体質改善と、とっさの怒りをクールダウンする対処法」を基本としている
・日本でも2018年度までに約85万人の人が講座や講演、研修でアンガーマネジメントについて学び、ビジネスマンからスポーツ選手、子育て中のパパママまでの幅広い人たちが活用している
・2019年度からは中学校の道徳の教科書にも採用されていることが決まっている
・怒りたくないのに子どもに怒ってしまったり、常にイライラしてしまったりして後から反省……これは子育て中のママ共通の悩み。子どもの失敗やミスは母親の責任だと感じやすく、しっかりと「しつけ」をしたいと思うあまり、必要以上に怒りを感じ、イライラしてしまう人が多い
・怒りを「恐怖」として子どもにぶつけて言うことを聞かせてしまうと、本当の意味での「しつけ」にはならない。アンガーマネジメントは「怒らない」ことではなく、「怒る必要のあること」と「怒る必要のないこと」への線引き。怒りの感情とうまく付き合って、怒った後に後悔しないママになろう
実例から学ぶ!イラっとした時の子どもと自分への対応と対処法

怒りの「反射」があるママにはアンガーログがおススメ
- ケース1
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ママ〇歳 長男10歳 次男6歳
毎朝、起こしに行ってもぐずぐずしてなかなか起きず、いつも時間ギリギリ。パジャマもそのまま脱ぎ捨てて、バタバタと身支度をして学校へ。忙しい朝、ママはいつもイライラガミガミしてしまい、「バカ!ちゃんと片づけなさい」と怒鳴ってしまうことも……。子どもはだんだんガミガミ言われることにも慣れてきて、言うことを聞かなくなってきているような気がするし、怒った後に(バカは言いすぎたかも)と反省して自己嫌悪になることも。
- ・人は怒りを感じるとドキドキしたりカーッとしたり、カラダが反射するのと同時に大声を出したりドアを強く閉めてみたり、感情的にも反射してしまう
- ・この場合のアンガーマネジメントは「イラっとしても反射しないこと」
1 .6秒ルール
怒りのピークは6秒と言われている、イラっとしたらまずは冷静になるために6秒待ってみると、より冷静になれる。「大丈夫、大丈夫」や「深呼吸して」など怒りを感じたときに言う言葉を決めて、それを言いながら心を落ち着けるのも一つの方法
2 .温度をつけて記録する(スケールテクニック・アンガーログ)
- ・あきれた程度は1、はらわたが煮えくりかえってくらくらする怒りは10など、今起こっているレベルが1〜10のどのレベルかを考える。すると大抵のことは1か2のことが多く、自分が何にイライラしているかのパターンを知ることができる。このイラっとしたことのレベルと事柄を書き出すことをスケールテクニック・アンガーログと言う
- ・アンガーログは相対的に怒りを見て、自分の怒りのレベルごとの対策を考えられる、数値化することによって対処法を変えられる
怒りルールを決めて子どもを必要以上に怒らない
- ケース2
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ママ〇歳 長女9歳 次女5歳
学校から帰ってきたらまずはおやつを食べて宿題をするのがルール。でも、宿題をやっているふりをして隠れてマンガを読んでいることも多く、それを見つけるたびに怒鳴って宿題をやらせている状態。また、おやつは一つのルールを知っておきながら祖父母におやつをねだってたくさんおやつを食べていることも。祖父母に注意しても暖簾に腕押し状態で聞いてくれない。子どもにも祖父母にも怒りを感じるがどうにもできずにイライラする
・「しつけ」で大切なことは、両親がOKとNGをしっかりと見せていくこと。そしてその理由も具体的に子どもに伝えることが重要
1 .怒りは第2次感情と知る
・怒りの裏には第1次感情の悲しさ、あせり、困り、むなしさなどが必ず存在します。怒りを感じたとき、まずはその第1次感情が何なのかを自分で探る癖をつけましょう。自分が感情的になっている理由に気が付けると必要以上に怒らずに済むことも
2 .父と母で良いこと悪いことの境界線を決めておく
・何をしたらよくて、何をしたらダメかを親が決めて子どもに伝えておくと、子どもが守りやすくなる。そのルールは、祖父母にも伝え、「ここまではありがたいけど、これ以上はうちではだめというルールだから」と、守ってもらえるようにする
子どもを上手に怒るポイント2つ

1 .親のリクエストを伝える
- ・怒りの大半は、親が自分の理想や願望、欲求である「こうあるべき」を子どもに裏切られたときに生まれる感情
- ・自分が「べき」を持っているから怒りを感じ、相手を責めてしまう
- ・子どもには「べき」や怒りの感情を押し付けるのではなく、「こうしてほしい」というリクエストを伝える
- 例)✖「なんで、宿題もしないで遊んでるのっ!!」
○「おやつを食べたあとは、遊ぶ前に宿題をして欲しいの。」
2 .自分の本当の気持ちを伝える
- ・怒りの裏にはネガティブの感情が隠れている
- ・第2次感情である怒りの裏にある第1次感情に気が付く習慣をつけて、ただ怒るのでなく子どもがしたことによって感じた気持ちを伝えていく
- 例)✖「こんなに散らかして、片付けなさい!」
○「こんなに散らかっていたら、ママは困る。」
- ・子どもの頃から第一次感情に目を向けられると、器の大きい人になり怒りの耐性がついて反応しにくくなる
- ・感情的になりやすい人には継続的なトレーニングが必要
子どもに上手に伝えるポイント5つ

1 .感情的に伝えない
イライラしたり、子どもを怒るときに、物に当たったり何かを叩いたりすると、その瞬間、スカっとするのでエスカレートしていく。物や子どもを傷つけて恐怖心を与え絶対NG
2 .人格否定の言葉を言わない
性格や能力、容姿などその子自身が持っているものを否定するような言葉を使うのはNG。「バカ」「トロイ」「産まなければよかった」などがそれに値する言葉
叱るのは悪いことをした行動や態度のことのみ
3 .(今の)事実に対して怒る
昔のことを引っ張り出して怒ったり、それと連想できることに関して否定的なことを言ったりすることはNG
4 .あいまいな言葉は使わない
- ・月齢が小さいほどあいまいな言葉で怒ることはNG
- ・ふつうは・きちんと・ちゃんと・すぐなどは人によって感じ方の違うあいまい言葉、〇〇までに宿題をする、おもちゃはおもちゃ箱にしまうなど、具体的に言葉にして伝える
5 .大切なことほど手を止めて目を見て伝える
- ・リクエストと必要ならば理由を伝えるときには主語を「私は(I(アイ)メッセージ)」にして伝えることが大切
- ・怒りを感じているときにはYOU(ユー)メッセージになりがち。「お前は本当に……」「なんでやれないの!」などでは攻めているように感じて言い訳したり、ごまかしたりしたくなり、心を閉ざしてしまいがちに
- ・言い方を変えるだけで、子どもの反応も変わる、何回言っても聞かないならば、その子にとって伝わる言い方ではない可能性も。関わり方を変えてみると案外すんなりと聞き分けがよくなってくれるかも

- ・怒りや感情は伝染する
- ・家庭でいつもピリピリと神経質にしてしまうと、子どもにも伝染する
- ・子どもの第1次感情に寄り添い、落ち着く方法を見つけてあげることが大切
- ・親が「こうするべき」と思うことを子どもが理解できるとは限らないので、それを一方的に押し付けたり、怒るのではなく、リクエストして、子どもの気持ちに寄り添いながら、親の気持ちを伝えていく
- ・アンガーマネジメントは、知っただけでは身につきません、実践していくことが大切、今日から実践して習慣化していけば、気が付けばイライラガミガミの「おこりんぼママ」から卒業できるかも
- ・子は大人を見て育ちます、「小さい時は〇〇だから」とあきらめずに、子どもの気持ちを聞いて伝わるように教えていく
情報提供:一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会

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