2023/05/24
デビットカードは、政府が推進するキャッシュレス決済にも対応するカードです。しかし、クレジットカードや電子マネー、コード決済と比較すると利用率が低いのが現状で、その背景にはデビットカードの仕組みやメリットが広く認知されていないことがあるようです。
そこで当記事では、デビットカードのメリット・デメリットを、クレジットカードや現金と比較しながら解説します。
目次
デビットカードは、ご登録した銀行口座残高からリアルタイムでご利用代金が引き落とされる、即時払い方式のキャッシュレス決済用カードです。銀行などの金融機関が発行しています。
デビットカードの種類には、「J-Debit」と「国際ブランドデビット」の2つがあります。
「J-Debit」は、銀行のキャッシュカードをそのままデビットカードとしてご利用できるキャッシュカード一体型のデビットカードで、J-Debitマークがある日本国内の加盟店でご利用できます。
「国際ブランドデビット」は、VisaやJCBなどの国際ブランドが付いているデビットカードです。日本国内だけでなく海外でもご利用可能で、提携ATMで現地通貨を引き出せるため両替の手間もありません。海外でお買い物するときも「国際ブランドデビット」をご利用になれば、現地通貨でのご利用相当額が円換算され、リアルタイムで日本の銀行口座から引落とされます。
なお、「国際ブランドデビット」には、デビットカード機能とキャッシュカード機能を両方備えた「一体型カード」と、デビットカード機能のみの「単体型カード」の2種類があります。単体型カードの場合は国内ATMを使用しての現金引出が不可能で、国内で現金引出をしたい場合はキャッシュカードとデビットカードの2枚を保有しなければいけません。
クレジットカードや現金にはないメリットがあるデビットカード。デビットカードならではのメリットをご紹介します。
デビットカードは、中学生を除いた15歳以上もしくは16歳以上なら発行可能で、クレジットカード(原則18歳以上)を発行できない高校生でも銀行口座さえあれば原則無審査で発行できます。
18歳未満の高校生はクレジットカードを発行できません。そのため、ネットショッピングなどでは代引きか銀行振込などでしか代金を支払う手段がありませんが、デビットカードを所有していれば代引き手数料も振込みの手間も不要で代金を支払えます。
デビットカードは、ご登録した銀行口座の残高以上は使えない仕組みになっているので、自動的に使いすぎを予防できるというメリットもあります。また、ご利用可能額を設定することもでき、カードに不慣れな高校生や高齢者でも安心してご利用できます。
なお例外的に、万が一口座残高が不足した場合に、不足した代金あるいは全額を立て替えてくれるデビットカードや、自動融資をしてくれるデビットカードもあります。いずれも一般的なクレジットカードと同様に審査が必要で、ご利用可能年齢も18歳以上など通常のデビットカードよりも高めに設定されています。
デビットカードは、わざわざ事前にチャージする必要がないというメリットもあります。利用金額分以上の残高があればいつでも使用可能です。なお、プリペイドカードはデビットカード同様に即時払い方式ですが、チャージしないと使用できません。
デビッドカードは、クレジットカードと同様、ご利用金額に応じたポイント還元や、ご利用金額の一部が戻ってくるキャッシュバックなどがあります。ご利用になればなるほどポイントやキャッシュバックで還元されるので、現金払いよりもおトクです。
ただし、ポイント還元やキャッシュバックがあるのは「国際ブランドデビット」がほとんどで、「J-Debit」は一部のみがポイント還元の対象になります。
また、ポイント還元率はカード会社によっても異なるため、これからデビットカードのお申込みを考えている方はポイント還元率の高さで比較してみてもよいでしょう。
国際ブランド付きの「国際ブランドデビット」なら、クレジットカードと同様に海外でのお買い物などに使用できます。さらに海外のATMで現地通貨を即時に引き出せるので両替所に行く手間も省けます。
さらに「国際ブランドデビット」の中には、国内はもちろん、海外でも適用されるショッピング保険や旅行傷害保険が付帯しているデビットカードもあります。
デビットカードは、不正利用されたときに、クレジットカードと同じく補償やセキュリティが適用されます。保障内容はカード会社によって異なるので、確認してみてください。
現金でお買い物をするときは、銀行やコンビニエンスストアのATMで事前に現金を引き出さなくてはいけません。しかし、デビットカードは現金を持っていなくても決済できるため、事前にATMで現金を引き出す必要がありません。また、ATMで現金を引き出すときの時間外手数料も意識しなくて済みます。
メリットだけ見ると万能カードのように思えるデビットカードですが、もちろんデメリットも存在します。お申込み前に認識しておいたほうがいいデメリットを詳しく見ていきましょう。
デビットカードは、基本的に残高以上の金額のお買い物には利用できません。残高以上のお買い物をしたいときには、口座への入金を事前にする必要があります。
デビットカードは、即時支払い方式の一括払いにしか対応していません。クレジットカードの支払い方法には1回払いのほかに、リボ払い(リボルビング払い)、分割払い、2回払い、ボーナス一括払いなどがありますが、デビットカードでは分割での支払いはできません。
デビットカードには、多くのクレジットカードで使えるキャッシング機能がついていません。キャッシュカード一体型のデビットカードの場合、基本的には残高以上の引き出しはできませんが、カードローン付加タイプのデビットカードなら、残高不足時に自動融資できるものもあります。
デビットカードのひとつである「J-Debit」は、ECサイトでご利用できません。また、ほとんどのデビットカードは、毎月継続的に支払う公共料金などのお支払いには使えません。
デビットカードのポイント還元率は、クレジットカードより低いです。デビットカードのポイント還元率は0.2〜0.5%程度で、クレジットカードのポイント還元率は0.5〜1.0%程度です。しかし、使い方や使用する場所などによってはクレジットカード並みのポイント還元率を実現できる場合もあります。
なお、せっかくポイントが還元されても、たまったポイントを活用できなければ意味がありません。ポイント還元率だけで比較するのではなく、ポイントの使いやすさも考慮しましょう。
キャッシュレス決済が可能なデビットカード・クレジットカードと、現金支払いの特徴は次のとおりです。デビットカードは現金払いよりもおトクで、クレジットカード決済と比較すると支払い回数などご利用できるサービスが少ない点があるものの、審査なしで発行ができるため、クレジットカードより使用しやすいでしょう。
デビットカード | クレジットカード | 現金 | |
---|---|---|---|
支払い方法 | 即時口座引落とし | 後払い | 一括 |
発行対象年齢 | 満15歳以上 (中学生を除く) |
満18歳以上 (高校生を除く) |
− |
支払い回数 | 一括払いのみ | 一括払い 分割払い リボ払い ボーナス払い |
一括払いのみ |
審査 | 原則なし | あり | なし |
ポイント還元 | 原則あり | 原則あり | なし |
はじめてデビットカードを作るなら、さまざまなシーンで使えて応用がきくデビットカードがよいでしょう。デビットカード初心者におすすめのイオンのデビットカードの特長をご紹介します。
年会費 | 無料 |
---|---|
国際ブランド | Visa |
種類・機能 | デビットカード |
たまるポイント | WAON POINT |
イオンデビットカードは、イオングループの店舗以外にも国内外のVisa・イオンマークのある加盟店、ネットショッピングでご利用可能なデビットカードです。口座残高の不足時に、一時的に10万円まで立て替えてくれる「バックアップサービス」が付いています。また、購入した商品の破損時や不正使用時の補償制度も付いているので安心です。なお、お申込みいただけるのは18歳以上の方です(高校生の方は、卒業年の1月1日以降であればお申込みいただけます)。
年会費 | 無料 |
---|---|
国際ブランド | JCB |
種類・機能 | デビットカード/WAON/キャッシュカード |
たまるポイント | WAON POINT/電子マネーWAONポイント |
「イオン銀行キャッシュ+デビット」は、15歳(中学生は除く)から申し込める、JCBデビット・電子マネーWAON・イオン銀行のキャッシュカードが一体化したデビットカードです。キャッシュカード機能付きなので国内のATMでも現金を引き出せて、カードを2枚持ちする必要がないのが「イオン銀行キャッシュ+デビット」のメリットの1つです。また、電子マネーWAONのオートチャージにも対応しています。デビットカード初心者にはもちろんイオンユーザーにも最適な、とてもバランスのよい1枚です。
お支払いと同時に代金が銀行口座から引き落とされるデビットカードは、キャッシュレス決済に興味があってもクレジットカードは持ちたくないという方や、18歳未満でクレジットカードが持てない方に特におすすめしたいカードです。基本的に審査は不要、現金感覚で使用できる上に使いすぎを防げるので、キャッシュレス決済のご利用が初めての方にも最適です。
ただし、デビットカードにはメリットがある一方でデメリットもあるので、しっかりと理解して、自分の目的にぴったりのデビットカードを選ぶようにしましょう。
※カード発行には所定の審査がございます。
※当記事は2023年5月時点の情報となります。